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CDリリース記念リサイタル ヴィヴァルディとその周辺 2018.11月

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CD「イグナツィオ・ジーバー リコーダーソナタ全6曲」リリース記念 
小池耕平リコーダーリサイタル
〜ヴィヴァルディとその周辺〜

小池耕平 リコーダー
 山本 徹 チェロ 鴨川華子 チェンバロ

2016年に行ったリサイタル「イタリアの道」作曲家別シリーズ第6回で取り上げた Ignazio Sieber のソナタ全曲を収録したCDの発売を記念したリサイタルを、東京、富山、大阪、福岡の4カ所で行います。
2016年のズィーバー全曲演奏の時の通奏低音はチェンバロ鴨川華子だけでしたが、録音およびこのたびのリサイタルツアーではバロックチェロの山本徹も参加しています。

2016年の全曲演奏の時にも大きな驚きをもって迎えられた Sieber のソナタでした。今回は彼が影響を受け、また影響を与えたヴィヴァルディ Vivaldi との関連をお聴きいただくプログラムです。

ヴィヴァルディは多くのコンチェルトにリコーダーを登場させ大活躍させていますが、リコーダーのための独奏ソナタはたったの2曲しか確認されていません。へ長調 RV52 とト長調 RV806 です。RV52 は実際には楽器指定は記されておらずメロディーの音域や調性からリコーダー用と推定されているもので、RV806 の方は ヴァイオリンソナタ ニ長調 RV810 を移調して筆写されたもので、その移調ももしかしたら横吹きフルートのためだったのかもしれません。「これぞヴィヴァルディのリコーダーソナタだ!」と胸を張って言いにくい2曲ですが、演奏会のプログラムに乗せられる機会も少なく、実演に接したことがある方も多くないでしょう。

ジーバーについては、以前の全曲演奏会の際の井上亨さんの解説文「ズィーバーという作曲家を知っていますか」をお読みいただくとヴィヴァルディとの関連がお分かりいただけると思います。彼はヴィヴァルディが指導していた養育院ピエタで管楽器を教えていた音楽家でした。6曲残されているジーバーのリコーダーソナタには、ヴィヴァルディの作品を元ネタにしたものの他、当時の大ヴァイオリニスト、コレッリのような作風のものやヴェラチーニの曲とほぼ同一の曲もあります。

この演奏会では、ヴィヴァルディの作品を元にしたソナタ7番(所収されている曲集の7番めからがジーバー作品なのです。実際にはこの7番がジーバーの1番にあたります)イ短調と、コレッリの作品と言われても納得してしまいそうな9番ハ長調の2曲のソナタを取り上げます。いずれもリコーダーに超絶技巧を要求する難曲です。

ジーバーのソナタ11番ハ長調はヴェラチーニ作曲のヴァイオリンまたはリコーダーのためのソナタ5番とほぼ同一の曲なのです(上記リンクの井上亨氏の解説参照)。ジーバーの方はCDでお聴きいただくとして、今回はヴェラチーニの5番のソナタを取り上げます。この両者のソナタの違いはわずかとはいえ、ヴェラチーニの方が曲のバランスが良く完成度が高いと小池は思います。

そして、ヴィヴァルディに関連するソナタといえば、今やフランスのシェドヴィルの作だということが史料から明らかになっている「忠実な羊飼い」です。私が子供の頃は「なんだかヴィヴァルディぽくない曲も入ってるけど、本当にヴィヴァルディが作ったのかなあ?」とみんな思っていたんですけどね。ところが1989年に「実はこれはシェドヴィルが作曲したんです」という宣誓書が発見されてしまったのです。今や、元ネタの曲があるものはそれが何なのか調べ尽くされてさえいます。ヴィヴァルディ関連の作品を取り上げるならばこれは外せないでしょう。今回演奏するのは第6番ト短調です。

そして、当時のヴァネツィアでヴィヴァルディと敵対していたマルチェッロもお聴きいただきます。マルチェッロの本職は法律家で政治家だったのですが、「趣味で」作曲をして作品を出版し、音楽批評も手がけていました。ヴィヴァルディとは全く異なる端正な作風で、玄人以上の内容を持った作品を残しています。

Program
A.ヴィヴァルディ
 リコーダーソナタ ト長調 RV806 
 リコーダーソナタ へ長調 RV52
I.ジーバー
 リコーダーソナタ 第7番 イ短調 
 リコーダーソナタ 第9番 ハ長調 
F.M.ヴェラチーニ 
 リコーダーソナタ 第5番 ハ長調 
N.シェドヴィル 
 ヴィヴァルディの「忠実な羊飼い」ソナタ第6番ト短調 
B.マルチェッロ 
 チャッコーナ(リコーダーソナタ へ長調 作品2の12より)

11月2日(金)19:00開演 
東京オペラシティ近江楽堂
前売4000円/当日4500円

ご予約・お問合せ:
オフィスアルシュtel.03-3565-6771


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お名前とチケット枚数およびメールアドレスを明記のうえ、必ず「非公開コメント」のチェックボックスにチェック✅を入れて送信してください。折り返し、メールを差し上げます。


あるいはメールでのお申し込みの場合は

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東京公演のチケットはこちらから







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by flauto_diritto | 2018-11-05 19:00 | Flauto diritto | Comments(0)

プリズム・バロック 演奏会 2018.8.8


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8月8日(水)には「プリズム・バロック」演奏会を、ホテル日航福岡「チャペル プリエール」にて開催します。


歪んだ真珠「バロック」が放つ音楽の光を、3種類の楽器で分光して様々な色に響かせるプリズム・バロックの演奏会。


 木の管に息の流れが通りぬけて響く木管楽器リコーダー

 羊腸ガットの弦を馬の尾の毛を張った弓で弾く弦楽器ヴァイオリンとチェロ

 薄い木のボディーに張られた細い金属弦を鳥の羽の軸の爪で弾く鍵盤楽器チェンバロ


異なる3つのタイプの楽器の組み合わせが、3面のガラスのプリズムのように、

バロックというひとつの時代の音楽から虹のように多彩な響きを生み出します。


毎回、国や年代の異なる作品をヴァラエティ豊かに取り上げる「プリズム」の演奏会ですが、

今回のプログラムは、イタリア、フランス、ドイツという大国の音楽のほかに、スコットランドやオランダの曲も取り上げます。


2018.8.8(水)18:30開場 19:00開演

ホテル日航福岡新館3階「チャペルプリエール」

812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目18-25

前売4000円 当日4500


チケットはこちらから購入できます(イープラス)。


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プログラム

G. Ph. テレマン : トリオ・ソナタ イ短調 TWV42:a1

G. B. フォンターナ : ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調

A. ヴィヴァルディ : コンチェルト ニ長調 RV92

F. クープラン : コンセール 第3番 イ長調

F. ジェミニアーニ : スコットランド歌曲によるソナタ 第1番

         : チェロソナタ 第2番 ニ短調 Op.5-2

J. ファン・アイク : ダフネ美しき娘

J. S. バッハ : トリオ・ソナタ 第5番 へ長調 BWV529 (オルガン・ソナタ第5番)


小池耕平 KOIKE Kohei [Recorder]

福岡市生まれ。福岡県立修猷館高等学校卒業。九州大学文学部西洋史学科卒業。大学在学中から演奏活動を始める。桐朋学園大学音楽学部研究科(古楽器科リコーダー専攻)を1989年に修了。日本各地においてリコーダーのソリストとしてまたバロック室内楽アンサンブルで演奏会を行なっている。また小学校の訪問演奏活動も続けている。2007年ヴァイオリンのジーン・キムと韓国公演。2009年東京リコーダー音楽祭(読売新聞社主催)では 8人のリコーダー・ソリストの一人として選ばれ出演。2010年ロンドンのヘンデルハウス博物館でヘンデルのリコーダーソナタ全曲演奏。長らく東京を拠点にしていたが2016年秋より福岡在住。NHK文化センター福岡リコーダーアンサンブル講師。まなびすと春日リコーダーアンサンブル講師。富山古楽協会リコーダー講師。


竹嶋祐子 TAKESHIMA Yuko [Baroque Violin]

福岡県に生まれる。桐朋学園女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部を卒業。ヴァイオリン・室内楽を久保田良作、天野晴司、山根美代子、数住岸子の各氏に師事。レンク国際アカデミーにてシャンドール・ヴェーグ氏に師事。「バッハ・コレギウム・ジャパン」のカンタータ全曲録音プロジェクトや国内外での公演を始め、「オーケストラ・リベラ・クラシカ」「レ・ボレアード」などのオーケストラや室内楽で活動し、各地の音楽祭や芸術祭にも参加している。「アンサンブル朋」メンバー。


山本庸子 YAMAMOTO Yoko [Cembalo]

福岡県出身。福岡女学院高等学校卒業。東京藝術大学音楽学部古楽科(チェンバロ)卒業及び同大学院修士課程修了。チェンバロを鈴木雅明・三橋桜子・辰巳美納子、オルガンを早島万紀子、フォルテピアノを小倉貴久子、アンサンブル及び通奏低音を小島芳子・鈴木秀美・若松夏美の各氏に師事。2010年よりフランスのストラスブール音楽院にて、チェンバロをアリーン=ジルベライシュ、室内楽をマルタン=ジェステール、通奏低音をフランシス=ジャコブの各氏に師事。2011年にオーストリアバロックアカデミーにて特賞を受賞、また「Turigi」のメンバーとしてブルージュ古楽音楽祭・ユトレヒト古楽音楽祭に出演。2013年に帰国後は福岡女学院メサイア、Ensemble14他多数の公演に参加、各地で活動を展開している。


山本徹 YAMAMOTO Toru [Baroque Cello]

東京藝術大学、同大学院古楽専攻及びチューリヒ芸術大学修了。チェロを土肥敬、河野文昭、北本秀樹、鈴木秀美、ルール=ディールティーンスの各氏に師事。東京藝術大学バッハカンタータクラブにて小林道夫氏の指導のもと研鑽を積む。「バッハ・コレギウム・ジャパン」「オーケストラ・リベラ・クラシカ」をはじめ主要な国内外のオリジナル楽器オーケストラのメンバーとして定期公演・録音・海外ツアーに多数参加している。2006年第20回国際古楽コンクール<山梨>第2位、2008年第16回ライプツィヒ国際バッハ・コンクール第2位。2011年ブルージュ国際古楽コンクール審査員賞、及びファン・ヴァッセナール国際コンクール優勝。







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by flauto_diritto | 2018-08-08 19:00 | Flauto diritto | Comments(0)

Cafe [ Robinia Hill ] ライヴ 2018. 7. 7 (土)

Cafe [ Robinia Hill ] ライヴ


福岡市営地下鉄「室見駅」から少し歩いたカフェ「ロビニア・ヒル」でリコーダーを演奏するのも3回目になります。


7月7日(土)には

「イタリアの光、イギリスの影」

リコーダーとリュートによるバロック音楽


と題して、1600年頃のイタリア音楽と1700年頃のイギリス音楽をお届けします。


今回はリュート奏者の太田耕平との共演で、「ダブル耕平」です。すずやかに響くリュートと しみじみとに鳴るリコーダーでの演奏です。


イタリアでオペラの創作とともに始まったバロック音楽は、楽器のために独奏曲が作られるようになった時代でもあります。1600年代のイタリアの音楽は演劇性と強いエネルギーで聴く人に訴えかけます。1700年頃のイギリスの音楽は同時代の他の国の音楽には無いしめやかさで心に染み込んできます。


201877日(土) 

 〔昼の部〕1330開場、1400スタート 3000円(お菓子、1ソフトドリンク付)

 〔夜の部〕1730開場、1830スタート 3500円(食事、1ソフトドリンク付)


 *各回25席限定


 *アルコール類は別途料金


場所:Robinia Hill  福岡市早良区南庄6-6-7 BRUNO102


*スペースの関係上、事前にご予約ください。


*専用駐車場がございませんので、恐れ入りますが、車でお越しの方は近隣のコインパーキングをご利用ください。


*ご予約・お問い合わせ:Robinia Hilll 太田まで(090-8352-2171


プログラム


1600年頃のイタリアの音楽

D. カステッロ:ソナタ 第1番 Dario Castello : Sonata Prima

G. B. フォンターナ:ソナタ 第2番 Giovanni Battista Fontana : Sonata Seconda

F. ロニョーニ:パレストリーナの「野や山は花のにぎわい」によるディミニューション Francesco Rognoni : Vestiva i colli

B.デ・セルマ:カンツォーナ 第3番 Bartolome de Selma : Canzona Terza


1700年頃のイギリスの音楽

「ディヴィジョン・フルート」より:グリーンスリーヴス

 from Division Flute : Greensleeves

A. パーチャム:ソロ ト長調 Andrew Parcham : Solo G major

F. バルサンティ:スコットランド歌曲集より Francesco Barsanti : Scots tunes

H. パーセル:私を泣かせてください Henry Purcell : O let me weep





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by flauto_diritto | 2018-07-07 18:30 | Flauto diritto | Comments(0)

ホテル日航福岡チャペルプリエールでの演奏会


福岡に転居して1年半近く経ちました。今年からようやく福岡でも本格的な演奏活動をすることになりました。


まず最初は、ホテル日航福岡の「チャペルプリエール」https://www.hotelnikko-fukuoka.com/banquet/hall/chapel.htmlでパイプオルガンとチェンバロとの共演です。

オルガンとチェンバロを演奏するのはチャペルのディレクター池田泉氏。

ご存知の方も多いでしょうが、このチャペルの内装は美しいゴシック教会の様式で、素晴らしいパイプオルガンが設置されておりチェンバロも常設されています。


今回のプログラムは有名作曲家ヴィヴァルディとヘンデルを中心にお届けします。

ヴィヴァルディは2曲のコンチェルト、陰鬱なメロディーと超絶技巧のパッセージの対比をもつハ短調RV441と鳥の鳴き声を模した天真爛漫な「ごしきひわ」。ヘンデルのヘ長調のリコーダーソナタはリコーダーが本来持っている穏やかな性格を十全に引き出した佳曲、そして元々は大編成な野外音楽でラッパや太鼓が大活躍するきらびやかな「王宮の花火の音楽」をリコーダーとパイプオルガンの二人の奏者で。

そのほか、リコーダー独奏で17世紀初頭の大ヒット歌曲による変奏曲「涙のパヴァーヌ」、オルガン独奏ではルイ14世時代のフランスの天才鍵盤楽器奏者 F. クープランのミサ曲より。


詳しくは以下のページからご覧ください。






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by flauto_diritto | 2018-05-13 13:30 | Flauto diritto

リサイタル 2016 イタリアの道 作曲家別シリーズ 第6回 Ignazio Sieber

毎回ひとりのイタリア人作曲家をとりあげるシリーズ、第6回は全く無名の I. Sieber ズィーバーです。
(カタカナでは「ジーバー」と書かれていることもあります)

ミラノに生まれたズィーバーは、木管楽器(オーボエ、フラウト・トラヴェルソ、リコーダー)の奏者でした。
彼については、ローマに留学中のヘンデルのオラトリオ「復活」上演の際にオーボエを演奏した可能性があり、ヴィヴァルディが教えていたヴェネツィアのピエタ慈善院でオーボエとトラヴェルソの教師として勤めていたことなどがわかっています。

1716年頃にオランダ、アムステルダムの出版社 Roger ロジェが出した12曲からなるリコーダーソナタ集にズィーバーの作品が6曲入っています。曲集のタイトルは『12のソナタ/リコーダーと通奏低音のための/最初の6曲はガリアード氏作曲の作品1 そして後半の6曲はローマ在住のズィーバー氏の作品1』(←クリックするとIMSLPの楽譜ダウンロードするページが開きます)。

ガリアードはドイツからイギリスに移住した、ロンドンのオペラ座の木管楽器奏者です。全く無関係なこの二人の音楽家の作品を一冊にまとめたこの曲集を出版したロジェはヴィヴァルディ作品の海賊出版でも知られています。

ズィーバーのリコーダーソナタ曲はここに含まれる6曲だけです。ところが曲集の7番、8番、10番、12番は、知らずに聴いたら新発見のヴィヴァルディ作品かと思うほどにヴィヴァルディ的な音楽です(その中には元ネタがわかっている曲もいくつかあり、たとえば7番の第1楽章はヴィヴァルディのヴァイオリンソナタ作品2-3の第1楽章を下敷きにした編曲作品)。その一方、9番のソナタは大変にコレッリのヴァイオリンソナタ風、11番のソナタはヴェラチーニが1716年に清書してドレスデンに献呈したソナタの第5番とほぼ同一の曲です。
この6曲のソナタを一気に演奏するのは、超絶技巧のコンチェルトを6曲まとめて演奏するようなものです。

楽譜の海賊出版で悪名高い出版社による、無名の音楽家ズィーバーのリコーダーソナタの真贋は?また、盗用したのはヴェラチーニ?あるいはズィーバー?演奏会当日に配布する、残された数少ない資料や関連作品の楽譜を検証したプログラムノートとともに、エネルギーが横溢するリコーダー作品をお聴きください。

ネットでの演奏会のご予約は、この記事のコメント欄から(その際、「お名前、人数、メールアドレス」を明記の上、必ず「非公開コメント」のチェックボックスにチェック☑︎を入れて)。
または、E-mailの場合、flauto_diritto@excite.co.jp
お電話の場合は、東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
東京古典楽器センター 03-3952-5515

日本初となるズィーバーのリコーダーソナタ全曲演奏会。リコーダー愛好家の方々にはもちろんのこと、聴いたことがない音楽が聴いてみたい方やヴィヴァルディ愛好家の方にも特にオススメです。
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by flauto_diritto | 2016-04-05 19:00 | Flauto diritto | Comments(3)

「リコーダーソナタの黄金時代」のプログラムノート

リコーダーソナタの黄金時代   2015. 4. 10 近江楽堂

1:T. メルラ/ソナタ 第1番( Op. 6, 1624年 )
  T. Merula : Sonata Prima

2:G. B. ルイエ/ソナタ イ短調 作品1-1( 1710年頃 )
  G. B. Loeillet de Gant : Recorder Sonata A minor Op. 1 - 1
   Adagio - Allegro - Largo - Giga ( Allegro )

3:J. Chr. ペプシュ/ソナタ ニ短調 作品2aー2( 1709年 )
  J. Chr. Pepusch : Recorder Sonata D minor Op. 2a - 2
   Adagio - Allegro - Largo - Allegro

4:J. オトテール・ル・ロマン/組曲 変ロ長調 作品2-3( 新版 1715年 )
  J. Hotteterre ( le Romain ) : Suite Bb major Op. 2 - 3 ( New edition, 1715 )
   Prelude ( from Suite Op. 2 - 2 ) - Allemande ( La Cassade de St. Cloud サン・クルーの滝 ) -
   Sarabande ( La Guimon ラ・ギモン ) - Courante ( L’indiferante つれない女 ) & Double -
   Rondeau ( Le plaintif 悲しみ ) - Menuet ( Le mignon かわいい子 ) - Gigue ( L’Itaienne イタリア女 )

~~~ 休憩 ( 15分 ) ~~~

5:G. Ph. テレマン/ソナタ ニ短調 ( 1740年頃 )
  G. Ph. Telemann : Recorder Sonata D minor ( “ Essercizii Musici ” )
   Affetuoso - Presto - Grave - Allegro

6:I. ズィーバー/ソナタ イ短調 (第1番)( 1716年頃 )
  I. Sieber : Recorder Sonata A minor
   Preludio ( Largo ) - Corrente ( Allegro ) - Ceciliana ( Largo ) - Capricio ( Allegro )

7:G. F. ヘンデル/ソナタ ハ長調 HWV 365( 1725年頃 )
  G. F. Handel : Recorder Sonata C major HWV 365
   Larghetto - Allegro - Largo - a Tempo di Gavotto - Allegro


リコーダー:小池耕平
チェンバロ:曽根麻矢子
ヴィオラ・ダ・ガンバ:中野哲也

使用楽器
ソプラノ・リコーダー:Ganassi タイプ、楓、415Hz、平尾重治製作、1990年
アルト・リコーダー:
Th. Stanesby Sr. モデル、ツゲ、415Hz、木下邦人製作、1985年
Th. Stanesby Sr. モデル、ツゲ、415Hz、木下邦人製作、2014年
P. Bressan モデル、黒檀(エボニー)+象牙、415Hz、木下邦人製作、1996年

 バロック時代17~18世紀の器楽曲は「ソナタ」というタイトルばっかりでまことに味気ない。おしゃれなタイトルがついているのはフランスの曲ばかりで、イタリアやドイツの曲にカッコいいタイトルを持つものは珍しい。

 17世紀を迎える少し前にイタリアで初めて「ソナタ」というタイトルの曲が作られた。それは教会で演奏するための合奏曲だった。「ソナタ」というのは「Sonare」(奏でる)からきた言葉で、つまり「楽器のための音楽」ということだ。以来、様々な編成の色々な様式のソナタが作られるようになったが、初期のソナタは切れ目なく演奏される1つの曲の中に性格の異なる様々な場面がつなぎあわされたものだった。たとえば、ルネサンス時代に流行したカンツォーナのような部分、オペラの主人公のアリアやレシタティーヴォのような歌唱的なメロディー、舞曲の要素、楽器の名人芸を発揮できるような技巧的な音形、などなど。

 ソナタの誕生はバロック音楽の誕生と期を同じくしている。

 バロック音楽は16世紀末におこった古代ギリシャの音楽劇の再生に端を発している。それ以前のルネサンス期の音楽の基本はポリフォニー(同時に複数のメロディーが響きあう対位法的な音楽)であった。そこでは歌詞の内容を伝えることよりも音楽全体の調和が優先されている。対して、この音楽劇のために新たに考案されたのは、モノディーと呼ばれるひとつだけの歌のメロディーをシンプルな低音の伴奏に乗せた形である。メロディーの音形は歌詞の情感に沿ってつけられ、伴奏には低音に数字をふって弾くべき和音を示す通奏低音が発明された。これは当時「新音楽」とか「第二作法」などと呼ばれ、ルネサンスの「旧音楽」「第一作法」と対比された。この新しい作曲技法により オペラが作られたことをもって音楽のバロック時代の始まりとされている。
 そして、歌詞の内容を音によって表出しようとすることで、音形には象徴的な意味が与えられ蓄積されていった。のみならず、調性やリズムや楽器の種類など様々な音楽の要素に逐一象徴的意味合いが付与され、それらの要素が修辞学と結びつき、歌詞を持たない器楽作品においても音という言語を通して深い意味を伝えるものとなった。器楽曲「ソナタ」はオシャレなタイトルがなくとも、音楽それ自体が様々な意味内容を発信する作品だったのだ。

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 メルラ Merula はクレモナ近郊に生まれ、オルガン奏者や教会の楽長として北イタリアのいくつもの教会にオルガン奏者や楽長として勤めた。本日演奏するメルラのソナタ第1番はポーランドのワルシャワのオルガン奏者時代に出版された作品6の曲集「モテットと協奏的ソナタ第1巻」に収められている。ソプラノ楽器とバス楽器のための2声部のソナタと題されていて、これは通奏低音から独立して動くバス声部を持ったトリオソナタなのだが、残念なことにバスのパート譜が失われている。ショット Schott 社から出版されている現代譜で復元されているバス楽器のパートには不十分なところが多く、今回それを元に大幅に加筆修正した版を作って演奏する。初期バロックのソナタの典型的な教会用のソナタで、舞曲的な要素は含まれておらず、楽器で演奏される小さなミサ曲のようなおもむきさえある。

 リコーダーのためのソロソナタは18世紀になって大量に作曲され出版されるようになる。リコーダーはこの頃には1本管で円筒の内径のルネサンス・タイプから、優美な曲線のふくらみやリング状の装飾を持った旋盤細工のジョイントで複数のパーツを繋ぎ先細りの内径を持ったバロック・タイプのものになっていた。皆さんががよくご存知の形状のリコーダーは17世紀の後半に作り上げられたのだ。そして、ブルジョワ層の音楽愛好家の増大が、出版ビジネスの隆盛に伴って、リコーダーのための曲集や教則本の出版を増やすことにもなった。本日の2曲目以降はリコーダーソナタの黄金時代である18世紀前半の音楽である。

 ルイエ Loeillet はベルギーの木管楽器奏者の一族。リコーダー業界で最も有名なジャン・バチスト・ルイエはリヨン司教に仕えていた。全く同姓同名の従兄と区別するために出身地から「ガン(ヘント)のルイエ」と呼ばれている(従兄の方は「ロンドンのルイエ」)。ガンのルイエはそれぞれ12曲からなる4巻のリコーダーソナタ集を出版している。その第1巻第1番のソナタ・イ短調はリコーダーを吹く人なら必ず演奏したことがあるはずの名曲。緩~急~緩~急の4つの楽章からなる通常の構成を持つソナタで、フランス在住のベルギー人の作品なのにフランス様式の要素が全く見られない。第1楽章冒頭で通奏低音がリコーダーに先んじて最初のメロディーを演奏するのが 珍しい。

 ドイツからイギリス・ロンドンに移住してきたペプシュ Pepusch は「乞食オペラ」によってヘンデルが王立アカデミーで上演していたイタリアオペラに痛手を食らわせたことばかりが有名であるが、劇場作品だけでなく宗教曲や室内楽作品もたくさん残している。また、ロンドンで「古楽アカデミー」の設立と運営にあたり、演奏会や教育をおこなっていた。ペプシュの作品はドイツ出身であることをほとんど感じさせないほどイギリス的な音楽であることが多い。ニ短調のリコーダーソナタもそのような作品のひとつである。

 テレマン Telemann は音楽家の家系ではなかったが、親の反対にも関わらず独学で作曲を身につけ様々な楽器を独習しており、ことにリコーダーが得意であった。また、自分自身で製版して楽譜の出版もおこなっていた。様々な宮廷や教会などの楽長を勤め、最終的には自由都市ハンブルクの音楽監督に就任した。全てのジャンルに渡って膨大な数の曲を作り、確認されているだけで3,600曲以上、クラシック音楽の作品数でギネス記録保持者である。1740年頃に自分で出版した「音楽練習曲集 Essercizii Musici 」は、1738年に出版されて大評判となったスカルラッティのソナタ集として知られる「30の練習曲 Esserzici 」に影響を受けたタイトルをもった、様々な楽器のためのソロソナタとトリオソナタの曲集である。ニ短調のリコーダーソナタは、曲集のタイトルの通り、高度な演奏技術を要求する作品である。

 ヘンデル Handel もテレマンと同じく音楽一族の出ではなく、法律家になることを父から期待されていたが、領主に才能を見いだされ音楽の道へと進んだ天才少年だった。イタリア留学後にイギリス国王ジョージ1世の音楽家となったヘンデルは、イギリス到着当初はイタリア音楽の音楽家としてオペラ上演を主な仕事としていた。その頃に作曲された彼のリコーダーソナタは、チェンバロの生徒であったアン王女の通奏低音の課題にも使われた。ヘンデルはソナタ集の楽譜を当初は出版せず、写譜係に筆写させたものを販売していたようだ。その最初の出版は、ロンドンの出版社ウォルシュ Walsh がアムステルダムの出版社ロジェ Roger の名を騙って出した海賊版だった。イギリス国王の与える著作権は外国にまで効力が及ばないからだ。しかし、この版はヘンデル作でないソナタが紛れ込んでいたり楽章の抜け落ちがあったりと信憑性が乏しい。ウォルシュはその後「より正確な版」という題目を付けて、再びヘンデルの許可もなく出版し直すが、やはり内容に難ありだ。こうまでして海賊版を出すということは、ヘンデルのソナタ集が「売れる」ものだったということだ。

 ルイ14世時代のフランスでは、文化的先進国イタリアへの対抗心から、また中央集権体制を確固としたものにするためにも、フランス独自の芸術を創り上げることに熱心だった。そこではオペラは受け入れられず抒情悲劇という音楽劇が作られ、ソナタではなく舞曲を主体とした組曲が器楽曲のメインとなった。国王の舞踏好きもあって、フランスは舞曲の国だったのだ。
 オトテール Hotteterre 家は17世紀から18世紀にかけて様々な木管楽器製作、演奏、作曲に携わった一族。その中でも最も有名なジャック・オトテールは一族の他のメンバーと同じくヴェルサイユに勤務し、ローマ人(ル・ロマン)とあだ名されていた。彼が1707年に出版したフルート・リコーダー・オーボエのための教則本はベストセラーとなった。その翌年1708年に出版された作品2の組曲集には、プレリュードの後に数曲の舞曲が続く独奏楽器のための組曲が3曲収められている。それぞれの舞曲には人名や地名などのタイトルがつけられた典型的なフランスのバロック音楽である。この曲集が1715年に新たに彫版された際、旧版の第2組曲と第3組曲はそれぞれ2つに分割されて5曲の組曲となった。また、新たにたくさんの装飾記号も 付け足された。本日は、新版の第3組曲の前に第2組曲のプレリュード(これは旧版では同じ組曲のもの)を付けて演奏する。

 ズィーバー Sieber というドイツ人名前の管楽器奏者はたった1冊のソナタ集によって知られている。1716年頃にアムステルダムのロジェが出した「12のソナタ、リコーダーと通奏低音のための、最初の6曲はガリアルド氏の作品、後半6曲はローマ在住のズィーバー氏によるもの」がそれである。(ガリアルド氏はロンドンで活動したドイツ人管楽器奏者 J. E. Galliard )。ロジェはヴィヴァルディ作品の海賊出版でも知られる出版社で、このソナタ集も正しい手続きを踏んで出版されたものではないと推察される。ミラノに生まれたズィーバーは、ローマで活動しただけでなく、ヴィヴァルディも勤めていたヴェネツィアのピエタでオーボエやトラヴェルソ教師としても働いた時期がある。
 イ短調のソナタは、曲集中7番目のソナタでありズィーバー作品の第1番目のものである。第1楽章はヴィヴァルディのヴァイオリンソナタ Op. 2 - 3 を下敷きにしたもので、第4楽章はヴィヴァルディの弦楽のためのコンチェルト RV127の第3楽章によく似ている。また、第2楽章コレンテも第3楽章シチリアーナも作曲者名を知らずに聴いたら誰もがヴィヴァルディの作品だと思うだろう。ズィーバーの他のソナタもヴィヴァルディと同様の書法のものが多いが、それらがヴィヴァルディの失われた作品を元に編曲されたものなのか、ズィーバーによるヴィヴァルディ的な創作なのかは不明である。(Sieber は「ジーバー」とカナ書きされることが多いようだが、その音を嫌って「ズィーバー」と表記した。)

 作曲されたばかりの楽譜を買って演奏した18世紀当時のアマチュア・リコーダー奏者はどれほど楽しんだことだろう。いや、現代においても、どれほど沢山の人々がこれらのリコーダー音楽を聴いたり自ら演奏したりすることで楽しんでいることだろうか。これらの曲目は技術的な難度の高低にかかわらず音楽的な充実感を感じさせてくれる名曲ぞろいである。また、自ら楽器を取って演奏して楽しむ文化は深い音楽的土壌に根ざしたものである。聴く人も奏でる人も今後より一層の深さと広がりを持ってくれることを願う。     (小池耕平)


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by flauto_diritto | 2015-04-10 21:00 | Flauto diritto | Comments(0)

リサイタル2015

追加公演決定!

好評完売いたしました、4/10の「リコーダーソナタの黄金時代」は2種類の追加公演をすることになりました。

1)4/10, 15:00 - 17:00
近江楽堂でのドレスリハーサル公開。料金3,000円。

  本番と同じ衣装で、本番と同じ進行でおこなうドレスリハーサルをお聴きいただきます。この日の19:00からのチケットをお持ちの方で変更をご希望の方はその場で差額を返金いたします。
 入場券はありませんので、15時までに直接会場にお越し下さい。ご予約は不要ですが、できればこの記事のコメント欄からお名前と人数をお知らせ下さい。


2)4/11(土)16:00
世田谷区の小さなサロンでのコンサート。限定20席(完全予約制)
こちらは予約受付を終了いたしました。ありがとうございました。
  
   会費
   A : 8000円 (シャンパーニュ付き)
   B : 7000円 (ノンアルコールドリンク付き)
   C : 3500円 (中高生)


  通奏低音はチェンバロだけで追加公演いたします。
  チェンバロ常設のステキなサロンでグラスを傾けながらのひととき。
  ※必ず事前にご予約下さい。ご予約の際、A〜C(人数)をお知らせ下さい。


1)2)ともにこの記事のコメント欄からご予約を受け付けます。
お名前、人数、確認メールを受け取るEメールアドレスを明記の上、「非公開コメント」のチェックボックスにチェック☑️を入れて送信して下さい。  2)へのご予約のお客様には場所などの詳細をメールでご連絡いたします。

あるいはメールでのご予約の場合はflauto_diritto@excite.co.jpまでお願いします。

今年のリサイタルは、久しぶりに特別のテーマを持たないものです。

ここ数年、「イタリアの道」と題して、毎回1人のイタリア人作曲家を取り上げたプログラムでリサイタルをしてきました。まだまだ大勢のイタリア人作曲家が残っていてイタリアを行く旅は道の途中ですが、今回は趣向を変えて、バロック時代のリコーダー作品の多様さが垣間見えるような、多くの国の作曲家のタイプの異なるソナタを取り上げたプログラムです。つまり、「リコーダーソナタの黄金時代」である18世紀前半の音楽を概観できるプログラムにしました。

演目は、バロック音楽の王道のヘンデルとテレマンから、よほどのリコーダーマニアでも聴いたことがないかもしれないズィーバーやメルラのイタリア系のソナタ、はたまた、リコーダーを習う人が独奏曲として最初に吹くレパートリー(しかも名曲!)であるのに滅多に演奏会で取り上げられないベルギーのルイエやロンドンのペプシュのソナタまで、バロック時代の様々なリコーダー・ソナタを多面的に取り上げています。

唯一のソナタでない作品、フランスのオトテールの組曲は、昨年2014年に木下邦人によって新たに作られたオトテールの教則本にある運指表と同じ運指のアルトリコーダー(Stanesby Sr.モデル)で演奏することで、有名なこの曲に新たな光を当てます。


2015年4月10日(金)19:00開演(18:30開場)
東京オペラシティ3階「近江楽堂」

前売4000円(当日4500円)

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今回の通奏低音は、チェンバロ曽根麻矢子とヴィオラ・ダ・ガンバの中野哲也です。名人ふたりのサポートを得て、内容の濃い豪華な演奏会となるでしょう。

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by flauto_diritto | 2015-04-10 19:00 | Flauto diritto | Comments(1)

CD発売記念演奏会

5月7日にリリースされたCD「ヘンデル:リコーダーソナタ集」の発売を記念して、7月に東京と大阪で演奏会をいたします。

この記事のコメント欄からも御予約を受け付けます。お名前とチケットの枚数、メールアドレスをご記入の上、必ず【非公開コメント】のチェックボックスにチェックを入れて送信して下さい。

この演奏会で使用するアルトリコーダーは録音で使用したものとは異なり415 Hzのステインズビィ Sr.モデルです。


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 CDリリース記念
 小池耕平リコーダーリサイタル

 音楽輸入都市ロンドン
  ヘンデルとその周辺
   

東京公演
  小池耕平/リコーダー
  辰巳美納子/チェンバロ

 2013年 7月19日 (金曜日) 19:00開演 (18:30開場)
 近江楽堂(東京オペラシティ3階)
 前売4,000円 当日4,500円 (全席自由)

大阪公演
 小池耕平/リコーダー
 三橋桜子/チェンバロ

 2013年 7月27日 (土曜日) 15:00開演 (14:30開場)
 タケヤマホール(アンリュウリコーダーギャラリー内)
 前売3,000円 当日3,500円 (全席自由)

●チケット予約●お問い合わせ
  オフィスアルシュ
   http://www.o-arches.com
   sonate@o-arches.com
   電話:03-3565-6771
  アンリュウリコーダーギャラリー
   http://www.a-rg.jp
   電話:06-6678-1011(平日11:00~17:00)

●プログラム
  G. F. ヘンデル/リコーダーソナタ ニ短調  HWV 367a
         /リコーダーソナタ ハ長調  HWV 365
  G. B. ボノンチーニ/ディヴェルティメント・ダ・カメラ 第3番 イ短調
  F. バルサンティ/スコットランド古歌曲集より
  J. ルイエ(ロンドンのルイエ)/リコーダーソナタ 第1番 ハ長調
  Ch. デュパール/組曲 第5番 ヘ長調
  G. フィンガー/グラウンド
   
18世紀前半、ヘンデルが暮らしたロンドンで鳴り響いていた様々な音楽をリコーダーの響きにのせてお楽しみいただきます。ヘンデルのソナタだけでなく、彼のライヴァルだったイタリア人作曲家の作品、フランス人作曲家の組曲、異国趣味のスコットランド音楽まで彩り豊かなプログラムです。
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by flauto_diritto | 2013-07-27 15:00 | Flauto diritto

2012年リサイタル「イタリアの道」 ヴェラチーニ編

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小池耕平リコーダーリサイタル
 イタリアの道
 flauto diritto

作曲家別シリーズ 第5回
ヴェラチーニ Francesco Maria Veracini (1690 - 1768 )

ヴァイオリンまたはリコーダーと通奏低音のためのソナタ集(1716年)より
 1番へ長調
 3番ニ短調
 4番変ロ長調
 9番ト短調
 10番ニ短調

ソナタイ短調(ブリュッセル手稿)

2012年
東京公演 10月11日(木) 19:00開演(18:30開場)
東京オペラシティ「近江楽堂」
東京都新宿区 西新宿3-20-2 東京オペラシティ3F 京王新線初台駅東口出口から徒歩3分
前売:4000円 当日券:4500円

大阪公演 11月4日(日) 15:00開演(14:30開場)
アンリュウリコーダーギャラリー「タケヤマホール」
大阪市住之江区安立3-8-12 南海電鉄南海線(普通)「住之江」駅より徒歩7分
阪堺電車上町線「あびこ道」駅より徒歩2分
前売:3000円 当日券:3500円

協賛:アンリュウ リコーダーギャラリー

チケット発売のeplusはこちら。東京公演eplus

              大阪公演eplus

夏休み中に
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by flauto_diritto | 2012-11-04 15:00 | Flauto diritto

ヴェラチーニのプログラムノート

小池耕平リコーダーリサイタル
イタリアの道 flauto diritto

   2012年
    東京公演 10月11日 19:00開演 東京オペラシティ「近江楽堂」
    大阪公演 11月4日 15:00開演 アンリュウリコーダーギャラリー「タケヤマホール」

作曲家別シリーズ 第5回
F.M.ヴェラチーニ Francesco Maria Veracini (1690 - 1768 )

プログラム

ソナタ 1番 へ長調 *
Sonata Prima *
Largo e nobile - Allegro - Largo - Allegro

ソナタ 9番 ト短調 *
Sonata Nona *
Cantabile - Andante - Adagio - Allegro ma affetuoso

ソナタ イ短調 (ブリュッセル手稿)
 ヴァイオリンソナタ集 作品1(1721年)より (18世紀前半のリコーダー用編曲版)
Sonata La minore : ms. Bruxelles
Overtura ( Largo - Allegro - Adagio ) - Allegro ( Larghetto, Allemanda ) -
" Paesana " ( Allegro ) - Largo - Giga ( Allegro, "Postiglione" )

  ~~~ 休憩 (20分) ~~~

ソナタ 10番 ニ短調 *
Sonata Decima *
Cantabile - Allegro - Cantabile - Allegro ma affetuoso

ソナタ 4番 変ロ長調 *
Sonata Quarta *
Largo e nobile - Larghetto - Largo - Allegro

ソナタ 3番 ニ短調 *
Sonata Terza *
Largo - Allegro - Largo - Allegro

 * ヴァイオリンまたはリコーダーと通奏低音のためのソナタ集(1716年)より
 * XII sonate a violino o flauto solo e basso : ms. Dresden 1716


 祖父や叔父もヴァイオリン奏者であったフランチェスコ=マリア・ヴェラチーニは幼い頃から叔父アントニオ・ヴェラチーニにヴァイオリンを習い共に演奏していた。また、オルガン奏者で作曲家のカジーニにも師事していた。1711年11月にはヴェネツィアに行き以降そこを活動の拠点とした( 21歳 )。1712年の2月にコンチェルトを自作自演し、春にはオラトリオを作曲するなど活発な活動を展開している。実際タルティーニ(ソナタ「悪魔のトリル」で有名)やロカテッリなど他のヴァイオリン奏者にも大きな影響を与えたヴェラチーニは、ヴァイオリンの名手としての側面が強調されている。しかしソナタやコンチェルトなどの器楽曲ばかり作曲していたのではなく、若い頃から声楽曲の作曲もしていたのである。

 多くのイタリア人音楽家がそうしたように、ヴェラチーニもロンドンで演奏活動をしている。最初は1714年、2回目は33年から38年、最後に41年から45年。最初の滞在時にはヴァイオリン演奏のみだったが、あと2回の長期滞在の時には演奏会だけではなく合計4つのオペラの作曲上演にも携わっている。ヴェラチーニのヴァイオリンはロンドンでは大変に好評だったようで、慈善演奏会、私的な小さな演奏会、オペラの幕間でのコンチェルト演奏など、とても頻繁な演奏活動を行っていた。

 1716年にヴェネツィアで浄書された「ヴァイオリンまたはリコーダーのための12のソナタ」は、ドレスデンのザクセン選帝候の王子フリードリヒ・アウグストに献呈されている。これはドレスデンの宮廷オーケストラへの就職活動の一環だったようで、ヴェラチーニは翌1717年に同楽団のメンバーとなっている。ドレスデンの “Grosse Cammer-Musique” ( 大室内楽団 )は当時のヨーロッパでも有数のオーケストラで、各国から集められた優秀な音楽家がそのメンバーとなっていた。ヴァイオリン奏者にはヴォリュミエ Volumier やピゼンデル Pisendel などそうそうたるメンバーがおり人員補充の必要はなかったにもかかわらずヴェラチーニが採用されたのは王子のおかげだと言えよう。1月にドレスデンに到着したヴェラチーニは当初は選帝候アウグスト強健王の個人的な音楽家として雇われ11月からヴァイオリン奏者として宮廷楽団に入っている。ここでヴェラチーニは大変に厚遇され、給料は楽長と同額で他の作曲家よりも高額。作曲作品に対しては別に対価が支払われ、イタリアに歌手採用のために派遣されたこともあった。
 1716年の12曲のソナタは全て四つの楽章で作られている。アルビノーニやヴィヴァルディなど同時代の他のヴェネツィアの作曲家のヴァイオリンソナタと同様に、重音奏法も少なくフーガのような対位法的な要素も見られない。重音が使われないのはリコーダーで演奏する可能性を前提にしていることによるかもしれない(6番のソナタで2カ所だけ重音が要求されている箇所があるのみ)。同じメロディーがそのまま繰り返されることが多いのが特徴で、ある一つの短い音形を何度も繰り返すところさえある。しかも、曲の後半に最初のメロディーが冒頭と同じ主調で再現されることが多いのがこの時代には珍しく、次の時代を先取りしたような様相さえある。曲によっては半音進行が特徴的に用いられている。

 ブリュッセルの個人蔵の18世紀の筆写譜にあるイ短調のソナタは、ヴェラチーニの作品1のヴァイオリンソナタ集からリコーダー用に編曲されたものである。作品1の1番のソナタからの第1、3、5楽章の間に、6番の第2楽章、7番の第4楽章が組み合わされている。このように別の曲からの楽章を組み合わせることは18世紀にはよくおこなわれていた。実際、作曲家が自作の楽章の組み替えをすることさえあり、たとえばヴェラチーニが自分の作品1の第1番の本来の第2楽章としたのは彼の1716年のソナタ集の第9番の第4楽章に少し手を加えて流用した同じ音楽である。
 イタリア人音楽家の初の出版作品であるソナタ集がフランス風序曲で開始されるのは国際派ヴァイオリン奏者ならではのことだ。第2楽章に使われたソナタ6番の2楽章はヴァイオリン用の原曲では Allemanda ( Larghetto )であるがこのリコーダー版では Allegro にされている。第3楽章パエザーナ Paesana はピエモンテ州トリノの南西にある小さな村の名前。第4楽章は1番の原曲ではフランス風の小さなメヌエットだが、かわりに7番のソナタから取られたいかにもイタリア風の緩徐楽章が置かれている。最終楽章のジーグには郵便馬車を駆る「馭者 postiglione 」の描写が繰り返しあらわれる。ポストホルンの音や鞭を振るうような音形が馬が駆ける様子を表す通奏低音の動きに乗って聴こえて来る。
 おそらくリコーダーにも音楽にもよく通じた人の手になる編曲で、リコーダーの苦手な音域を避けたり音域が足りない時に音形を変えたりと上手に処理している。しかし残念なことに、それが時折行き過ぎになっていることもある(第2楽章の特徴的なスラーの単純化や通奏低音の音形の大幅な変更、あるいは最終第5楽章の鞭打ちを描写する音形を全く変えてしまったこと、など)。今回の演奏にあたっては、元のヴァイオリン版に近づけるべく再編曲をおこなった。

 ヴェラチーニは、そのヴァイオリン演奏がロンドンなど各地で大好評で受容され様々な人から賞賛された反面、風変わりで嫌なやつだったという証言もいろいろと残されている。ドレスデン時代にはその雇用待遇もあって周囲から嫌われていたようで、同僚の喧嘩に巻き込まれて3階の窓から飛び降りて足に一生残る障害を負っている。1720年代にフィレンツェに戻っていた時期には「頭のおかしな奴」と呼ばれていたようだし、他の奏者の嫌がらせに高慢な態度で仕返しをした逸話も残されている。
 1745年以降フィレンツェに戻り最晩年に至るまでのヴェラチーニは教会音楽家として活動しヴァイオリン演奏も続けた。金銭よりも独立心を重んじたためにいくつかの高い地位を失ったとも伝えられている。時流に目もくれずに対位法の研究に熱中し、音楽理論書「実践上の音楽の凱旋」を著していることもそういった彼の気質を示している。3つ残されているヴァイオリンソナタ集だけとって見ても、後になるに従って対位法的な要素が濃くなっている。
 数カ国を股にかけて演奏活動をし、年を経るに従って作曲や理論にのめり込み、傲慢不遜で同業者たちに嫌われた天才的ヴァイオリニスト、と言うと現代にも同じような音楽家がたくさんいそうな気がする。性格はともかく、ヴェラチーニと同様に幅広い活動をしたヴァイオリン奏者は、同じ時代に他にも出て来ている(ジェミニアーニなど)。


ヴェラチーニ略歴
1690年2/1、フィレンツェに生まれる。
1711年12月以前にはヴェネツィア
1712年2/1、コンチェルト自作自演。ヴェネツィア
    春、オラトリオ「無実を証明された聖ニコライの凱旋」演奏、フィレンツェ。
    3/19ヴェネツィアでタルティーニがその演奏を聴いてショック受ける

1714年、1/23~12/24ロンドンで慈善演奏会とクイーンズ劇場でオペラの幕間のソリスト。
1715年、デュッセルドルフのライン・プファルツ選帝候の宮廷(ボンポルティのソナタ演奏。オラトリオ「紅海のモーセ」献呈)。
1716年7/26、ヴェネツィア「ヴァイオリンまたはリコーダーのための12のソナタ」

1717年1/25、ドレスデン到着。(当初は王子の個人的な雇用。11/25から宮廷に。)
1719年2月、ボローニャとヴェネツィア(歌手のスカウト)
1721年、「ヴァイオリンソナタ集Op.1」
1723年2月以前、ドレスデンを辞めてプラハ経由でフィレンツェ帰還。
        オラトリオの作曲、演奏を頻繁にする(たとえば1730年7/20~21、フィレンツェ出身の教皇クレメント12世を祝うミサ曲とテデウム)。

1733年4/9~27、ロンドンに移動。数多くの演奏会。
1735年11/26~、貴族オペラで初のオペラ作品「シリアのアドリアーノ」(20回)。
1737年4/12~23、第2作オペラ「皇帝ティトゥスの慈悲」(4回)
1738年3/14~6/6、第3作オペラ「パルテーニオ」
1738~39年、フィレンツェ帰還。
1741年2/28、再度ロンドン。ヘンデルの「アキスとガラテア」の幕間にコンチェルト演奏。
       頻繁にオペラの幕間や演奏会に登場
1744年1/31~、最後のオペラ「ロザリンダ」(10日間)
        「アカデミック・ソナタ集0p.2」 

1745年、フィレンツェに帰還(途中ドーヴァー海峡で事故)
1755年~、サン・パンクラツィオ教会の楽長
1758年~、サン・ミケーレ・アリ・アンティノーリ教会の楽長
1760年、音楽理論書「実践上の音楽の凱旋」
1765,66年、大公の宮廷でヴァイオリン演奏
1768年10/31、フィレンツェで没。


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by flauto_diritto | 2012-10-11 18:50 | Flauto diritto | Comments(0)