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相模湖で録音

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9月9日から12日まで、相模湖交流センターで録音してきました。(閉館日の10日はおやすみ)

譜久島製作木下製作の2本のStanesby Sr. リコーダーを使ってヘンデルのリコーダーソナタ(全6曲)。

チェンバロとオルガンはロンドンから来たニック(Nicholas Parle)
ヘンデルは一昨年2010年の秋に東京とロンドンで演奏しましたが、そのときロンドンで通奏低音を弾いてくれたのがニックでした。当初は昨年の夏に録音する予定だったのですが、地震の後の様々な要因によって延期されてしまっていたのです。

会場の閉館日が挟まる日程になったため、チェンバロだけでなくオルガンも使うことにして、録音初日にはポジティヴ・オルガンで変ロ長調とヘ長調、あと2日はチェンバロということになりました。今回の通奏低音は鍵盤楽器のみで低音旋律楽器は無し。

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普通ならこういう録音の時のチェンバロ奏者は調律や調整を専門技術者に任せてしまうことが多いんです。コンサートよりも頻繁に調律しますし、たくさんのテイクから編集してCDにするためには楽器の状態がいつも均質の方がやりやすいのです。また、調律してもらっている間に奏者は休憩することもできますから。しかし、ニックは「自分で調律する」って言うのです。「いつもそうしているから」って。さすがにオルガンの調律は専門家にやってもらいました(パイプの位置などが楽器によって違うために知っている人でないとやたら手間がかかります。そして、オルガンの調律は保ちが良いんです。今回も搬入時に1回調律しただけでした。)が、チェンバロに関してはリハーサルの時から録音本番まで全てニックが自分でやっていました。チェンバロは弾いているうちに次第に弦を弾く爪やアクションの状態が変化してムラが出てくるのですが、ニックはそれが良いのだと言って、きれいに均一に調整してもらわないままでずっと弾いていました。「だってリコーダーだって隣り合った音同士で鳴り具合や音質が違うでしょ?チェンバロも均質な反応じゃないのが音楽的だよ」とのこと。
今回使ったリコーダーはミーントーンに近い音律なので、鍵盤も他の後期バロックの作品を演奏する時とはかなり違う調律になりました。コンサートだと難しいですが、録音だと曲の調性に合わせて調律し直すことができますから。

CDの発売は多分、来年の夏までには。。。


休憩時間に2階の喫茶室から相模湖を望む。
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3回同じもの食べました。
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「ダムカレー」。相模ダムの形のカレー。流木や魚が浮かんでます。
by flauto_diritto | 2012-09-12 15:00 | 音楽
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