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閉店ラッシュ

約一週間前12月11日に、私が住む町にある行きつけの喫茶店が閉店した。
こくている堂の豆を使った珈琲もマスターの奥さんが作っているというケーキも紅茶も全てが美味しかった。多少マンネリだが良い選曲のBGMも安心感を演出していたし、古びた木の内装の味わいが美しい良い店内だった。
来るお客さんたちも皆ここの空気を壊さず、良い空間とお茶や珈琲をを楽しみ、あるいは仕事をしたり仲間と会話をして過ごしていた。
私も、ここに来ると原稿がはかどった。楽譜を浄書する時にも窓際の席に陣取ることにしていた。私だけではなく、コアなファンを持つ有名前衛作曲家もこの店で五線紙を相手にしていた。

特に今年になってからは空いている日が多かったのだが、平日の真昼間のことだからと思っていた。
11月末から店内に閉店の予告がされていた。そのせいか、12月に入ってからはお客さんが多かった。
最終日の夕方に行ったが、ほぼ満席だった。大勢のお客さんが、この店がなくなるのを惜しみに来たんだのだと思う。

私は今後 原稿も楽譜も何にも書けなくなってしまうかもしれません。

この喫茶店が入っているビルの隣の魚屋も11月一杯で閉店していた。80年も続いた魚屋だったようだ。



今日、目白の仕事の昼休みに例の蕎麦屋に行った。

珍しく満席だった。

私が入っていったときに丁度出ようとするお客さんたちに対して、女主人が「明日で閉店いたしますので・・・、どうも有り難う御座いました・・・。」と言っている。

この美味しい蕎麦がもう今後食えなくなるなんて。
この美しくて静かな隠れ家での昼食が今回限りになってしまうなんて。
by flauto_diritto | 2005-12-22 01:51 | 休憩時間
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